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TwitterやFacebookなどのウェブサービスで誹謗中傷・名誉毀損を受けた場合の法的手続 | ロー・リンクス法律事務所

TwitterやFacebookなどのウェブサービスで誹謗中傷・名誉毀損を受けた場合の法的手続

昨今,TwitterやFacebookなどのSNSで誹謗中傷されるというケースが増えています。
ところが,そのような場合の相手方はほとんど匿名であることが多いため,損害賠償請求するのはなかなか厄介です。
そこで,今回は匿名の人物から誹謗中傷・名誉毀損を受けた場合に,どのような手続をしないといけないのかをまとめておきます。

手続は大きく分けて3段階

手続は,大きく分けて誹謗中傷をした匿名の人物(以下「発信者」といいます。)を特定するための手続と,通常の損害賠償請求の2段階に分かれ,前者はさらに保全と請求の2段階に分かれます。
相手が匿名であるが故に,通常の損害賠償請求の前に余計な手間がかかるというわけです。

発信者の特定までには,原則として2種類の事業者に対する請求が必要です。
1つはウェブサービスのサイト管理者,もう1つはアクセスプロバイダです。
発信者がアクセスプロバイダ(いわゆる「プロバイダ」というやつです)を通じてサイト管理者が管理するウェブサービスにアクセスしているため,こちらはそれを逆に辿って,まずサイト管理者が保有するアクセスログを取得し,そのアクセスログからアクセスプロバイダを割り出して,アクセスプロバイダに対して投稿がなされた日時の特定のIPアドレスのユーザーについて保有している契約情報を開示しなさい,と求めることになります。

1 発信者情報の保全(削除請求)

2 アクセスプロバイダに対するログの保全・発信者情報の開示請求

3 発信者に対する損害賠償請求

発信者を特定するためには,誹謗中傷・名誉毀損の投稿がされたときのログを使用するため,そのログ(特にアクセスプロバイダが保有するログ)を保全する必要があります。多くのアクセスプロバイダは概ね3ヶ月から6ヶ月程度でログを削除してしまうため,それを削除しないようにという仮処分を申し立てます。

以下,順に説明します。

1 発信者情報の保全(削除請求)

(1)被害内容を証拠化
まずは誹謗中傷の内容自体を保全します。
具体的には,①投稿の内容だけでなく,②投稿がなされた日時,③投稿されたページのURLがすべてわかる形で保全する必要があります。
特に③のURLについては,特定できないと仮処分自体が出せなくなるので必須です。

(2)サイト管理者に対する請求
プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドラインというものがありますが,まずはこれに即して,ウェブサービスの管理者に対して発信者情報の開示や投稿の削除請求を試みます。ログの保全や投稿の削除請求は応じてくれることが多いようですが,発信者情報の開示には応じてくれないことの方が多いようです。

もっとも,返事が来るまでに1か月程度かかるため,仮処分を申し立ててしまった方が早くて確実ではあります。

特にアクセスプロバイダのログの保全が遅れると,そもそも相手を特定するための証拠がなくなってしまう場合があります。

なお,海外のウェブサービス(TwitterやFacebook,2ちゃんねる,Instagramなど)の場合は,ウェブサイト上のフォームからアカウントの凍結や凍結の削除をしてくれることがあります。しかし,ログの保全や開示については法的手続を取る必要があるため,ガイドラインに基づく請求は事実上できないと考えておいた方がよいと思います。

(3)サイト管理者に対する発信者情報開示仮処分命令の申立て

手続に要する費用自体は印紙2000円,切手が数千円程度ですが,申し立てること自体が結構ハードルが高いです。

まず重要なのが,誹謗中傷された内容が,法的に違法(著作権侵害,名誉毀損,プライバシー侵害,人格権侵害等)といえるのかという判断です。この判断を誤ると,発信者に対する損害賠償請求は当然できませんし,そもそも発信者開示請求の段階で切られるので,発信者の特定もできません。

手続もなかなかハードルが高いです。
概ね以下のような書類を準備する必要があります。

  • 申立書
  • 当事者目録
  • 発信者情報目録
  • (Twitter等のようにアカウントがある場合)対象アカウント目録
  • 権利侵害の説明
  • 投稿記事目録
  • 資格証明書
  • 証拠説明書
  • 甲号証(利用規約,whois検索の結果,判例タイムズ1395号25頁~35頁,陳述書,誹謗中傷されたものの投稿)
  • (海外のウェブサービスの場合)管轄上申書
  • (海外のウェブサービスの場合)資格証明書の翻訳文
  • (海外のウェブサービスの場合)通知書の翻訳文
  • (海外のウェブサービスの場合)申立書・当事者目録・発信者情報目録等の翻訳文

TwitterやFacebook,2ちゃんねるなど,海外にあるウェブサービスに対して請求する場合は,海外から資格証明書を取り寄せる必要がある(しかもこの取寄せに概ね1か月かかります)だけでなく,申立書一式の翻訳文が必要になるので,このハードルが非常に高いです。
ちなみに,「発信者情報開示仮処分命令申立書」は,「A Written Motion of an order of provisional disposition that disclose Identification Information of the Sender」といいます。こんな感じで申立書一式の内容をウェブサービスの管理者の国の言葉(ほとんどの場合は英語ですが)に翻訳していく必要があります。

ところが,たとえばTwitterの場合,申し立てるとすぐに日本の特定の事務所(の特定の代理人)に依頼がいくため,事実上翻訳する意味がほとんどないのも辛いところです(それでも裁判所は許してくれません)。

申立て後は,まず裁判官との面接があり,その後サイト管理者(の代理人)との面接があります。ここで,主に誹謗中傷・名誉毀損の有無についての判断がなされます。

面接を経て仮処分命令を発令するということになると,担保金を積みます。投稿の数などにもよりますが,概ね5万円から30万円程度です。
最近のTwitterに対する請求の場合は,そもそも担保金はいらないと言ってくれるようです。

こうして仮処分命令が発令されると,サイト管理者から誹謗中傷した投稿をした発信者のIPアドレスなどが開示されます。

Twitterのようなログイン型のウェブサービスの場合は,発信者がアカウントにアクセスした履歴をまるごとメールで送ってきます。申立書を受け取った日以降の分しか保全してくれないので,かなり急ぐ必要があるでしょう。

2 アクセスプロバイダに対するログの保全・発信者情報の開示請求

サイト管理者から開示されたログのIPアドレスをwhois検索すれば,どこのアクセスプロバイダを利用しているかがわかります。
そこで,そのアクセスプロバイダに対して,前述したガイドラインに基づいてログの保全と発信者情報の開示請求を行います。
これもログの保全には応じてくれることが多いですが,開示請求については基本的に発信者情報開示請求訴訟を提起するしかないことの方が多いようです。アクセスプロバイダは発信者の住所氏名を保有しているため,開示すると発信者からアクセスプロバイダに対する損害賠償請求がなされる可能性があるためです(あとはほいほい開示すると,「個人情報をすぐに開示する企業だ」と思われるというリスクも懸念してのことでしょう)。

アクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟が認容されれば,発信者の氏名住所などが開示されますので,この情報に基づいて通常の損害賠償請求をすることになります。

3 発信者に対する損害賠償請求

ここからは通常の損害賠償請求と同じです。
なお,不法行為に基づく損害賠償請求訴訟においては,原則として弁護士費用の全額が損害として認められるということはありません(不法行為の場合は,損害額の1割の金額が弁護士費用として認められるのが一般的です)。もっとも,発信者情報開示請求の場合は,その手続がかなり専門的なために,全額を損害とする裁判例が存在します。

発信者を特定するためには,概ね50万円から60万円程度(海外のサービスだともう少しかかることもあります)の弁護士費用がかかりますが,誹謗中傷・名誉毀損がされた場合には慰謝料に加えて弁護士費用についても請求できる可能性があるため,それなりにやる価値はあります。

もっとも,何度も申し上げているように,発信者情報開示請求は迅速に対応しないと手遅れになりますので,誹謗中傷・名誉毀損されていることに気づいたら,すぐに弁護士にご相談ください。